Episódios
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小村雪岱 「初めて鏡花先生に御目にかかつた時」
初出 「図書 第5年第50号 泉鏡花号」(昭和15年)
泉鏡花にまつわる人々の目を通した鏡花像をご紹介。
著者の小村雪岱(1887〜1940)は、大正期から昭和初期にかけて活躍した日本画家・版画家。挿絵に装丁、舞台美術においても数々の名作を遺している。
初めての泉鏡花本の装丁は「日本橋」(大正3年)。
滔々と流れる川を行き交う舟、両岸にずらりと立ち並ぶ立派な蔵。賑わう街の様子が明るく淡い色調で描かれ、その中を色とりどりの無数の蝶が乱れ飛ぶーーー
表紙から裏表紙にかけて一面に描かれた風景は見事に鏡花作品の世界観を表し、以後も雪岱は鏡花本の装丁を数多く手がけた。
今作品は雪岱が鏡花との出会いを回想したエッセイで、画学生時代の鏡花作品との出会いから始まり、本人との相見える瞬間をクライマックスシーンとして結ばれている。
当時鏡花の一ファンであった小村青年の運命を大きく動かした偶然。
それらのエピソードが敬慕の情をもって語られた一編。 -
【明治28年発表】
「黒猫・その22」
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のつづき。
お小夜を守り切り、ともに山を下りたお島は、その足で画師の二上秋山の家を訪ねる。
お互いに思い合うお小夜と秋山を引き合わせたお島は、秋山宅の座敷を借りてお小夜の髪を結い始めた。
仕上がった髪形を見てお小夜は驚く。それはお島一世一代の贈り物でもあった―――
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Estão a faltar episódios?
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【明治29年発表】
蛍を追いかけいくうちに友人とはぐれ、迷い込んだ蓑谷。
美しい女神が護るその場所では蛍を獲ってはならないーー母親からの教えに背いてしまった「私」の前にすらりと立つ女性が現れる。
湧き出でる水に支配された宵の魔所。
蒼茫の中から浮かび上がる美女。
蛇や仏を思わせる、侵し難くも不気味な風景と、神とも妖ともつかぬ山姫との邂逅。
どうしても蛍が欲しくてたまらない「私」は、蓑谷の主に冀(こいねが)うのだったーー
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【明治28年発表】
「黒猫・その21」のつづき。
自らが犯した罪を悔いるお島。
お島自身が富の市の妻となることで
富の市(とみのいち)の
お小夜への邪な企てを何とか踏みとどまらせようとするも
命懸けで想いを遂げようとする富の市には通用しない。
思い詰めたお島は決死の覚悟である行動に出るのだった―――
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【明治28年発表】
「黒猫・その20」のつづき。 お島はお小夜の想いに胸を打たれ、富の市にお小夜を諦めるよう詰め寄る。
本懐を遂げんとする目前の富の市は必死で抗うが、お島の決意は固い。
お島はお小夜と富の市を前にして、自身の苦しい恋心とお小夜に寄せる心の間で揺れ動く胸の内を語るのだった―――。
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【明治28年発表】
「黒猫・その19」のつづき。
富の市の執念から逃れられないと観念したお小夜は
心に秘めていた思いをお島に語りだす。
お小夜には想い人があることを知ったお島は
片恋の苦しさを知る同士として
心を動かされるのだった
さらにお小夜が恋焦がれる相手の名前を口にすると
お島は青ざめ、震えるのだった---
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髪結いのお島の計らいによって
縛を解かれた令嬢・お小夜は
富の市に向かい、語り始める。
自身を顧みず
卑しい執心に憑りつかれた富の市を哀れむお小夜。
その健気さにお島は心を打たれ、
懺悔の念にさいなまれるのだった―
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【明治37年発表】
「道中一枚繪 その一・前編」のつづき。
前編「道中一枚繪 その一・前編」はこちらから聴けます。→https://anchor.fm/u6c34u6708/episodes/ep-e1smvuh
弥次郎兵衛と喜多八は正月五日に
静岡県の久能山へ登り、
徳川将軍家ゆかりの東照宮へと参詣する。
曲がりくねった参道の石段を登り
眼下に広がる絶景に心を潤す二人。
と、向こうから石段を登ってくる華やかな3人連れを見つけた弥次郎兵衛が慌て出すのだったーーー
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【明治37年発表】 年末年始のご挨拶がわりに、年の瀬と正月の情景を描いた小品をひとつ。
東海道中膝栗毛の弥次郎兵衛と喜多八に自身をなぞらえた旅行記。
喜多八(泉鏡花自身)と弥次郎兵衛(鏡花の叔父)は、大晦日の晩に箱根の環翆楼に逗留。
宿の女中を相手に年が明けるまで酒を飲んだ翌朝、二日酔いで正月の祝膳を迎える。
その料理の中に、結納品と同じ「友白髪」という名の珍しい料理を見つけるのだった。
さらに箱根を後にした東海道線の列車では、先日結婚したばかりの友人と偶然乗り合わせる。
その友人に、喜多八はーーー
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【明治28年発表】
黒猫・その17のつづきエピソード。
髪結いのお島と盲人富の市の謀略によって
囚われの身となったお小夜。
あわや富の市の毒牙にかかるその手前で
お島が鋭い声を上げて制し、九死に一生を得るのだった。
お島はお小夜の猿轡を外し、思い残すことがあれば託(ことづけ)よと伝える―――
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【明治28年発表】
黒猫・その16のつづきエピソード。
お島の罠に嵌り、捕らえられたお小夜。
縛られ、口をふさがれて横たわるその姿を、お島は冷ややかな目つきで見下ろすのだった。
続いてぬらりと現れた盲人・富の市は、お島との誓いを守り、すでに想いを遂げた後に自らの命を絶つ準備を整えていた。
絶体絶命のお小夜。運命を暗示するかのように、お小夜の家のあたりでは、鴉が騒がしく鳴きたてている―――。
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【明治28年発表】
黒猫・その15のつづきエピソード。
草木も眠る三更(真夜中)の時間に、人目を忍んで家を抜け出す令嬢・お小夜。
所かまわず付きまとう富の市との縁を切るまじないを行うために、気味の悪い山奥の祠へ足を走らせるのだった。
心を野獣・淫蛇の境に落とした富の市を遠ざけたい一心で、放言極まりない怪しげなまじないを信じ切るお小夜。
繁る夏草に足を取られて躓きながらもようやく祠にたどり着くが、そこに待っていたのは、あろうことか富の市であった―――
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【明治28年発表】
黒猫・その15のつづきエピソード。
真夜中の月影に紛れた男女の影がふたつ。
それは、盲人の富の市(とみのいち)と、歪んだ恋路の手引きをする髪結いのお島(しま)であった。
お島は上杉家の垣根を差し覗きながらお小夜の気配を探っている。
まさにその丑三つ(深夜2時ごろ)時に静かに寝返りをするお小夜(さよ)の影があった。
お島に聞いた、富の市と縁を切るまじないを実行に移すために起きだしたのである。
お小夜は隣に眠る弟の秀松や隣室の家族に気づかれないように部屋を出で、するりと扉を抜けて外へと出ていくのだった。
自身が悪魔の生贄になろうとしていることも知らずに―――
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【明治28年発表】
黒猫・その14のつづきエピソード。
お小夜(さよ)の髪を結うために上杉家を訪れた髪結い師のお島(しま)。
憔悴しきったお小夜に理由を尋ねると、お小夜の代わりに下女のお三(さん)がしゃべり始める。
聞けば、お小夜の心を悩ませているのは盲人の富の市(とみのいち)であるとのこと。
たびたび上杉家の家屋に上がり込んでは黙って佇んでいる。
乱暴を働くわけではないものの、手の打ちようがないために却って気味の悪さを際立たせているという。
お島はお小夜に、富の市と縁を切る方法をこっそりと伝授する。
それは、夜中、人目につかないように裏の山にある祠に行き、まじないをするというものであった―――。
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【明治28年発表】
黒猫・その12のつづきエピソード。
絵師の卵・二上秋山と婀娜な髪結い師・お島は、互いが恋仲になることを断じる「別れの盃」を交わしていた。
秋山への想いを懸命に断ち切ろうとするお島。
そんな折にお島を訪ねて来たものがある。上杉家に使える下女のお三(さん)であった。
お三は上杉の令嬢・お小夜がお島の髪結いを所望しているという。
秋山の想い人を見透かしていたお島は、意味ありげにお小夜の髪を島田髷に結いあげることを告げて秋山宅を後にした。
お小夜の邸宅へと向かう道すがら、お島を呼び止める声。その主とはーーー。
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案内人・波華が、配信したエピソードについてつれづれにおしゃべり。
眠れない夜やリラックスしたい夜のお供に。
今回は現在も配信中の中編【黒猫】について、その1からその3までのあらすじを振り返ります。
本編はこちらから聴くことができます。
【黒猫・その1】https://anchor.fm/u6c34u6708/episodes/1-e18naa8
【黒猫・その2】https://anchor.fm/u6c34u6708/episodes/2-e19otas
【黒猫・その3】https://anchor.fm/u6c34u6708/episodes/3-e1agsmc
皆さまの作品解釈や、おすすめの文献も教えてくださいね。
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【使用BGM】冬の窓 music by のる -
【明治28年発表】
黒猫・その11のつづきエピソード。
二上秋山への想いを断ち切るために、髪結いのお島は別れの盃を交わそうと秋山に申し出る。
酒肴を揃えて秋山と差し向かうと、お島は自分の恋心が実らない理由を今一度尋ねる。
言い淀んでいた秋山だったが、腹をくくると、ひそかに想いを寄せる女性がいることを告白するのだった。
一縷の望みを断ち切られたお島は、秋山への想いが消えるまで、再び会いには来るまいと、きっぱり宣言するーーー。
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【明治28年発表】
黒猫・その10のつづきエピソード。
普段は聡明な上杉家令嬢の小夜子が
自身の母と愛猫の黒猫に対しては幼児のようにあどけなく振る舞うように、
絵師の二上秋山もまた、髪結いのお島にだけは心を開いていた。
それは姉と弟のように純粋無垢な感情であったが
お島の方は秋山に対して恋心を抱き、いつかは秋山の妻になること望んでいた。
心に秘めた恋心であったが、ある時、思いがけずお島は秋山に気持ちを知られてしまう。
秋山は毅然としてお島の愛情を拒んだが、お島への信頼は変わらないのだった。
思いつめたお島は、行商の魚屋に言いつけて酒の肴と酒を都合するように計らう。
いぶかしがる秋山に、お島は、これから別れの盃を交わすのだと答えるのだった―――。
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【鏡花怪異譚】明治28年発表
黒猫・その9の続きエピソード。
心を許した様子で髪結い・お島に膝枕し、髭を当たって(剃って)もらう秋山。
姉弟ならずも仲睦まじい二人はいかなる関係なのか。
二人は内縁でも夫婦でも、人目を忍ぶ間柄でもなく、性別を超えた信頼で結ばれていた。
秋山は裕福な生家があるものの、商いを継がせたい父兄に反発し、東京の美術学校を卒業した後は絵画の道を極めようとしていた。
生活のために絵を売る秋山の暮らしは苦しく、その日の食糧もままならない。
そんな秋山を見かねたお島が、援けを買って出たのである。
今では肉親以上に心隔てなくお島に接する秋山。
しかしひそかにお島は秋山への想いを秘めていた―――。 -
【鏡花怪異譚】明治28年発表
黒猫・その8の続きエピソード。
お島が訪れた粗末な家。
住まいの主は、新進気鋭の絵師・二上秋山(ふたかみしゅうざん)であった。
六畳間に所狭しと散乱している家具や道具。
そこに埋もれるように、秋山は伏せっていた。
お島は体調を崩した秋山を見舞ったのである。
気心の知れた様子で、仲睦まじまそうに軽口をきき合う二人。
煙管(きせる)に火をつけて燻らせたあと、お島は秋山に勧めるのだったーーー。 - Mostrar mais