Bölümler
-
私は若い頃、イギリスに留学し、その後、仕事で定期的に訪れる機会がありました。今回は、イギリスから日本が参考にできそうな点についてお話します。
イギリスは、以前ほどではないとしても、格差を受け入れる階級社会です。上流、中流、労働者、移民の階級があります。上流階級は、学費が高い中高一貫のパブリックスクールに通い、名門大学に行かれる可能性が高いです。私の同級生たちも、上流階級は、コネで良い会社に就職していました。
中流以下は、夫婦で働くしか選択肢がありません。そのため、女性の働き方の多様性では先進的です。ワークライフバランスを高める新しい制度が多くあります。また、家族との時間を大切にして、精神的に豊かに暮らし、人生を楽しむ姿勢も参考になりそうです。 -
私はスイス企業の日本法人に勤務していたことがあります。スイスは山と湖が多い美しい国で、九州くらいの面積に、年間2500万人の観光客が訪れます。観光業はスイスのGDPの3%を占める重要な産業です。
日本は2003年の「観光立国宣言」から20年を経て、海外からのインバウンド観光客が500万人から3000万人以上にまで増加しました。政府目標は、2030年に6000万人で、さらなる成長が見込まれます。一方で、オーバーツーリズムが問題になっており、観光先進国のスイスから学べることが多いと考えます。
例えば、事前予約の導入、外国人向けの価格設定、時期による変動料金制などが挙げられます。また、違反行為や迷惑行為については、ペナルティ(罰金)制度を徹底することも一案です。 -
Eksik bölüm mü var?
-
ドイツは年間休日数が143日で、世界で最も休みが多い国です。平均30日の有給休暇があり、取得率は100%近いです。ドイツ企業では、部下に休暇をとらせるのは、上司の義務です。私もドイツ企業の日本法人に勤務していたときは、年間140日近く休めました。
ドイツの教育制度については、近年、大学進学率が大きく上がりました。仕事で求められる能力が高度化しているためです。伝統的には終身雇用的な社会でしたが、スキルアップのための転職が増加しています。また、EU内で仕事を取り合うため、若者の英語力がどんどん向上していると感じます。
結婚が減り、少子化が進んでいるのは日本と同様です。女性の社会進出が急速に進み、企業にクオータ制を義務付けた結果、女性管理職比率は36%まで増えました。 -
ドイツは一人当たりの生産性が高く、日本の3分の2の人口なのに、日本と同規模のGDPを達成しています。私はドイツ企業に勤務したこともあり、日本がドイツの働き方から学ぶことが多いと考えています。
ドイツが効率的な理由は、ジョブ型雇用で責任範囲が明確であること、実利主義で少ない労働で最大の効果を得ようとする習慣があること、女性も男性と同等の給与であること、家族との時間を大切にすること、などが挙げられます。
一方、サービスのレベルは低いことが多いです。店舗の閉店時間は早く、日曜は休みです。道路工事やエスカレーター修理も平日昼間に行うため、渋滞や使用不可がとても多く、不便なことが多いです。そんなドイツから、日本は何を学ぶべきか、私見をお伝えします。 -
今回はビジネスにおいて、「相手と信頼関係を構築するコツ」についてご紹介します。ラポール(rapport)形成スキルと言います。ラポールとは、フランス語で「心の架け橋をかける」という概念です。これは、初対面の相手と共通の話題を口に出し、共感することで心理的距離を縮めるスキルです。
初対面での話題の探し方としては、銀座のバーのママの教え「木戸に立ちかけし衣食住」という語呂合わせがあります。気候(天気)、道楽(趣味)、ニュース、旅、知人、家族、健康、仕事、衣料(ファッション)、食べ物、住まいの頭文字です。
会う相手がわかっているときは事前準備をして、一度聞いたことはメモしておくことも大切です。相手が間違ったことを話したときも、正面から否定せず、部分的に共感して聴く姿勢になるとラポールが成立します。 -
就職の面接でもビジネスの場でも、初対面の相手に良い印象をもってもらうことはとても大切です。有名な「メラビアンの法則」という心理学実験では、初対面のコミュニケーションの重要度は、「表情、しぐさなどの視覚情報」が55%、「声のトーン、話し方などの聴覚情報」が38%、「話の内容などの言語情報」が7%と言われます。これが「人は見た目が9割」と言われる理由です。
第一印象を構成する5つの要素は、自然な笑顔、さわやかなあいさつ、業界に合った身だしなみ、適切な言葉づかい、信頼してもらえそうな雰囲気・態度です。マナーは他者評価なので、相手からみてどうなのかを常に意識する必要があります。 -
今回もスポーツ庁管轄スポーツキャリアサポートコンソーシアム(SCSC)のホームページから、オリンピック・パラリンピック選手4人のロールモデルをご紹介します。
1人目は、競泳の井本直歩子さんです。井本さんは現在、ユニセフ(国連児童基金)の職員として活躍しています。10代の頃、水泳で海外遠征をしたとき、選手間の貧富の差を感じ、将来は貧しい人のために働きたいと思ったそうです。高校の頃から勉強も頑張り、引退後は米国に留学し、国際機関職員への道を拓きました。
他に、フェンシングの長良将司さん(沼津市をフェンシングで活性化)、セーリングの上野太郎さん(資金集めのスキルを活かし、商社に再就職)、パラスキーの大日方邦子さん(NHK、電通でパラスポーツの魅力を発信)のキャリアヒストリーと若い方へのアドバイスをお伝えします。 -
今回はスポーツ庁管轄スポーツキャリアサポートコンソーシアム(SCSC)のホームページから、オリンピック・パラリンピック選手4人のロールモデルをご紹介します。
はじめに、陸上ハンマー投げの室伏広治さんです。室伏さんは現在、大学教授とスポーツ庁長官を兼務しています。室伏選手は現役のときから大学院でスポーツバイオメカニクスを研究し、博士号を取得しました。この研究は競技にもプラスになり、引退後のキャリア形成にもつながりました。
他に、女子バレーボールの大村加奈子さん(特別免許状で高校体育の先生)、ソフトボールの乾絵美さん(プロ野球オリックスのスカウト)、パラ自転車の藤田征樹さん(機械工学系エンジニア)のキャリアヒストリーと若い方へのアドバイスをお伝えします。 -
パリ五輪が始まりました。五輪にはじめて女性が参加したのは1900年のパリ大会からで、当時は全体の2%でした。その後、女子選手比率は増加し続け、今回ついに50%になり、選手村に初めて託児所ができました。
私はスポーツ庁管轄のアスリートキャリア支援コーディネーターの認定を受けており、女性に限らず、スポーツ選手のキャリア形成に関心があります。特に近年では、現役アスリートの頃から次のキャリアの準備を並行して行う「デュアルキャリア」が推奨されています。
日本の女子選手も「田村で金、谷で金、ママでも金」で有名になった柔道の谷亮子選手をはじめとして、ママアスリートが増えています。今回は、女子バレーボールの岩崎こよみ選手、パラ陸上の土田和香子選手などの活躍に期待しています。 -
日経新聞が引用している調査によると、大学生が行きたくない会社の2位が「転勤が多い会社」で、10年前と比較して、急上昇しています。男女が働き続けることが当たり前の時代に、どちらかが転勤になると、多くの場合、女性がキャリアを分断されるからでしょう。日本では毎年2万人の女性が夫の転勤により失職していると言われます。実に大きな社会的損失です。
そのため、転勤制度を変更する企業が増えています。今回はいくつかの先進的な企業の事例を紹介します。まずAIG損保です。AIG損保は、2018年に原則として転勤制度を廃止し、家族がいる社員が安心して働き続けられるようにしました。採用の競争力も上がったそうです。
明治安田生命やみずほフィナンシャルグループは、転勤できる社員には手厚い手当で報いる制度を導入しました。パナソニックやソニーは、転勤しなくても昇進・昇格できる仕組みを導入しています。 -
マイナビの学生アンケートでは、全国転勤を受け入れる人が約30%、エリア限定で転勤も受け入れる人が約30%、転勤がある企業はできるだけ就職したくない人が約40%です。人手不足の時代、従来のままの雇用システムでは、若手人材の採用は難しくなります。
企業は、転勤により人材育成をするといいます。これは新卒入社の男性だけが長時間働いていた時代には、機能していたのかもしれません。しかし現在は違います。個人や家族にとって、転勤はデメリットの方が大きいことに多くの人が気づいています。
ヨーロッパでは、通常の家族生活を送る権利を保障した欧州人権条約があり、本人の承諾なしに転勤させることは人権侵害になります。大学生の就職支援をしていると、現状の転勤制度を維持しようとする日本企業は、採用競争で明らかに不利になると感じます。 -
私は、ジョブ型雇用の外資系会社に長く勤務しました。その経験から、日本企業もジョブ型に移行しないと国際競争力が維持できないと考えています。
まず、優秀な専門職の採用の視点です。AIやデータ分析などの高度な専門人材は世界中で取り合いです。日本人でも、最も優秀な層は、日本企業には行きません。配属ガチャを嫌うためです。また、若手社員の給与が年功序列で低く抑えられている企業は、人気がありません。
優秀な社員を中途で採用しようとしても、メンバーシップ型だと年金や退職金で損をすることになります。また、夫婦で働き続けたい若手は、勤務地を選べない企業(転勤がある企業)は、選択肢から除外します。いずれも、ジョブ型を導入すれば解決する問題です。 -
マイナビの調査では、9割近い学生が「入社前に配属先を知りたい」と答えています。いわゆる「配属ガチャ」を嫌うためです。私の実感でも、希望する勤務地や職種に配属されなければ、内定を断り、別の会社をさがす学生が増えています。
日本では、配属先や職務内容を決めず、新卒学生を一括採用する「メンバーシップ型雇用」が一般的です。しかし、社会の成熟化、グローバル化の進展などにより、この日本の雇用システムの弊害が指摘されています。一方、日本以外の国では、職務内容が明確な「ジョブ型雇用」が一般的です。
ジョブ型雇用は、多様な専門性のある人材(中途入社、女性、外国人、シニアなど)が活躍するために適しています。今回はジョブ型雇用の特徴とメリット、デメリットについてお話します。 -
アンガーマネジメントとは、「怒りの感情と上手につきあい、怒りをコントロールする技術」です。ストレスの多い現代では、自分の心を制御するのは大切なことです。皆さんも試してみてください。
方法としては、衝動のコントロール、思考のコントロール、行動のコントロールの3つがあります。まず衝動のコントロールでは、「イライラしたら6秒待つ」というテクニックが有効です。怒りのピークは6秒で、それを過ぎると理性的になれるそうです。
2つめの思考のコントロールでは、「まあ許せるゾーンを広げていく」テクニックが知られています。3つめの行動のコントロールでは、自分が変えられないことは気にせず、「自分でできることに注力する」テクニックを身につけられるとよいでしょう。 -
最近、企業のリスク管理の一環で、従業員やアルバイト学生のネット上の情報調査が一般的になっています。ある人の名前などの基本情報からニックネームを推定し、サブアカウントや裏アカウントを調査する専門会社も現れています。すでに社会人の方も要注意です。
学生には就活前に、インスタグラム、X(Twitter)、ブログなどのSNSの投稿に注意するように促しています。SNSへの誹謗中傷など品の無い書き込みや、怪しいアルバイトの疑いがあると、企業は採用をためらいます。
実際、私が担当した学生も、どうやらネット上に金銭トラブルの形跡が残っていたようで、内定が取り消された事例がありました。SNSの情報開示については、将来、法律が変わる可能性もあります。「若気の至り」が、あとで問題にならないよう、気をつけましょう。
-
現在はナビサイト上でエントリーするため、多くの企業に応募できます。そのため、学生が知っている消費財(B2C)企業は、100倍前後の高倍率になります。一方、法人向け事業(B2B)の企業は数倍程度の倍率が多いのです。よく業界・企業研究をして、他の学生と違う選択をすると、良い出会いにつながりやすいかもしれません。
今回は、自分が「好きなこと・やりたいこと」を起点に就活を始め、納得いく選択をした5人の事例をご紹介します。アパレルから不動産に関心が移った男子学生、車が好きで複数の自動車販売会社に内定した男子学生、Uターン志望で医療系商社に決めた女子学生、人気のリゾートホテルに内定した男子学生、人事部に将来的に行かれそうな企業に決めた女子学生の5人です。 -
25年春卒業予定の大学生の就職活動は、そろそろ終盤戦。少子化が進み、企業の採用意欲も高く、就職率は97%以上です。学生は平均2.5社の内定をもらいます。でも、人気企業はいつの時代も激戦です。今回は、人気企業に内定をもらった4人の事例をご紹介します。
1人目は、テレビ番組制作会社に入った女子です。エントリーシートでは「最も感動した映像作品」について聞かれました。彼女は、社会性の高い作品について、深く考察できることが評価されたようです。
他には、海外赴任できそうな優良企業を探した男子学生、大手人材サービス会社など4社の内定をもらった女子学生、ダメ元で受けた市役所に決めた女子学生の事例をご紹介します。 -
ストレスに対処するには、自分で心や体のサインに気がつくことが必要です。イライラする、気分が沈む、ひどく緊張する、なかなか寝付けない、頭が痛いなど、人により、ストレスのサインはさまざまです。
メンタルヘルスの基本は、「ぐっすり眠ること」と言われます。適度な睡眠とは、最低5時間です。最近、ストレス対処法としての睡眠が改めて注目されています。
本日は、厚生労働省が「質の良い睡眠を確保するための指針」として公表している、10のポイントをご紹介します。最近の医学的知見が盛り込まれていて、興味深い内容です。皆さんが知らないこともあるかもしれません。 -
ゴールデンウィークが明けると、5月病になる人もいます。今回は、ストレスをうまくやりすごすコツをお話します。ストレスとは、ソファのクッションが手で押されてへこむイメージです。健康なときは、手を離すと元の形に戻りますが、ストレスで押されすぎると、元に戻りにくくなります。
ストレスにはさまざまな要因があります。まず、自分がどのようなストレス反応を示すかを知っておくことが大切です。例えば、ストレスがかかると眠れなくなる人、甘いものを食べたくなる人、などがいます。そのとき、自分でストレスを受けていることを感じとり、早めに対処できるとよいでしょう。
また、周囲に元気のない人がいるとき、上司や周囲の人が、適切な声がけをしてあげられると居心地の良い職場になります。 -
リスキリングの3回目は、「手に職をつける」転身に成功した事例をご紹介します。人工知能(AI)や機械に代替されにくい仕事に就くには、職人さん的なスキルを身につける必要があります。
1人目は、短大卒の銀行OLから、看護専門学校に入り直し、看護師になった女性です。2人目は、大学工学部卒ながら、リハビリに興味をもち、専門学校を経て、理学療法士になった女性です。医療系の仕事は、社会的ニーズが高く、AIに代わらない仕事の代表です。
3人目は、ITエンジニアから植木職人に転身した男性です。4人目は、企業の研究職から、夫婦で酪農業に転じた事例です。5人目は、アマチュアゴルファーとしてゴルフをしやすい仕事として、個人タクシー運転手に転身した男性です。どの方も、それまでの学歴や専門にはこだわらず、やりたい仕事に就いています。 - Daha fazla göster